不動産業に関するコラム
アセットマネジメントとは?
不動産業におけるアセットマネジメントの役割
「アセットマネジメント(以下AM)」とは、投資目的での不動産形成や運用、保全を行う業務を指します。投資家・オーナーに代わって不動産の総合的な資産管理を行い、その価値を最大化することを主な業務としています。
本ページにアクセス頂いた方の検索キーワードは、恐らく「不動産」「アセットマネジメント」「AM」が多いと思われます。
この様に検索された意図としては、
① 物件期中運営管理業務(プロパティマネジメント視点からのAM)を知りたい
② 投資対象資産運用管理業務(ファンドマネジメント視点からのAM)を知りたい
のどちらかでしょう。
そこで今回のコラムでは、「①物件期中運営管理業務(プロパティマネジメント視点からのAM」に焦点をあてて解説したいと思います。
なお「②投資対象資産運用管理業務(ファンドマネジメント視点からのAM)」に関しましても、次回以降のコラムで解説したいと思います。
目次
1. 物件期中運営管理業務におけるアセットマネジメントとは?
物件期中運営管理におけるAMの主な業務は、オーナーの立場に立って、プロパティマネジメント会社と協調しながら、(テナントのリーシング等も含めた)物件のパフォーマンスをいかに上げていくかということになります。
AMの業務は以下の8つに集約されます。
■ 運用計画
■ 運用報告
■ 資金管理
■ テナント管理
■ リーシング管理
■ 商業施設運営
■ 建物運営管理
■ 建物修繕管理
それでは、各々の業務の概要を解説します。
2. 運用計画
以下の3つの主要項目からなる運用計画書を一般的には年1回作成し、オーナーに提出します。
3. 運用報告
運用計画書に基づいて運用した結果を3ヵ月から半年毎に、以下の内容を含む運用報告書を作成し、オーナーに報告します。
■ キャッシュフロー・NOI 等の実績
■ 賃貸借契約の一覧(レントロール)
■ 予防保全・事後保全・長期修繕計画の実施一覧
■ 管理費・工事費等の支払明細
■ テナント要望や事故苦情・トラブル等の内容、定期的に必要な検査の実施状況と問題点の有無、
諸官庁からの要請事項や対応状況
4. 資金報告
以下の内容を含みながら資金の入出力を管理し、結果をキャッシュフロー表に反映し、オーナーに報告します。
■ テナントへの賃料等の請求・精算
■ 請求書の取りまとめ、資金移動・支払事務
■ 利益の配当・出資金の払戻
5. テナント管理
テナントとの契約関係を維持することを目的に、以下のような業務を行います。
■ 入居時・賃貸借契約更新時の賃貸条件の交渉、契約手続
■ 賃料等入金期日の管理、入金明細作成
■ 賃料延滞時の督促・回収
■ 要望・苦情への対処
■ 内装工事等の内容審査・工事立会
■ 退去時の原状回復等の手続、敷金・諸経費等の精算
6. リーシング管理
「2. 運用計画」で立てたリーシング戦略に基づいて、以下のような業務を行います。
7. 商業施設運営
商業施設の場合、テナントの売上等に連動して賃料が変動する形態の契約が行われる場合も多いため、テナントの売上増加を目的に、以下のような業務を行います。
■ 販促(プロモーション)活動
■ テナント管理(売上管理、売上向上のための各種サポート・指導、テナントミックス等)
■ 施設管理(施設の改装・大規模修繕・日常管理)
■ 飲食、物販等の出店業者へのダイレクトアプローチ
8. 建物運営管理
建物を快適に安全に利用するために維持・管理することを目的に、以下のような業務を行います。
9. 建物修繕管理
現物資産である以上建物は必ず劣化します。そこで「2. 運用計画」で立てた予防保全計画、事後保全計画、長期修繕計画に基づいて、建物を維持・管理し資産価値を守ります。
10. まとめ
オーナーの立場に立って、建物を維持・管理し、さらに物件のパフォーマンス(資産価値)を上げていくための業務が多岐のわたることをご理解いただけましたでしょうか。
次回のコラムでは「アセットマネジメント業務のIT化」と題して、AMの業務のIT化(システム化)に焦点を当てて解説したいと思います。ご期待ください。
第2弾:アセットマネジメント業務(物件期中運営管理業務)のIT化
第3弾:アセットマネジメント業務(投資対象資産運用管理業務)のIT化
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