第1話

IT業界に興味を持ったキッカケは?

Story #01

ある日のリフレッシュコーナーでの会話。新卒向けの会社説明会で「IT業界に興味を持ったキッカケ」についてスピーチすることになった綿谷は、その話題を佐藤と綾香に相談することに…

ちょっと今、仕事で困っていてさ。相談に乗ってくれないか? 桃花楼かビストロ弁慶のランチご馳走するからさ。

俺も綾香さんもリリース間近で忙しいから、そんなに手は貸せないよ。でも、桃花楼のランチなら仕方ないな。弁慶も捨てがたいけど。

ごちそうさまです! 桃花楼も弁慶もコスパ高いから大好きなんです! 500円であのランチは他では食べれないですよね、さすがうちの提携店!

了解、助かるよ。それで話しの続きだけど、今年から、新卒の採用を手伝うことになったんだよ。まあ、それはそれでいいんだけどさ、新卒向けの会社説明会で「IT業界に興味を持ったキッカケ」についてスピーチすることになったんだ。

それは大変そうですね。頑張ってください! 応援だけはします!

いや、だから手伝えよ(笑)それでさ、何を話せばいいか悩んでいるんだよ。みんなはどうしてIT業界に興味を持ったのかちょっと参考にさせてほしいんだけど、綾香さんはどんなキッカケでIT業界に興味を持ったの?

自分で企画して、実際に作るところまで担いたいからSEを目指した

う~ん。そうですね。私は文系なんですけど、もともと就活をしているときからモノづくりをしたいと思っていました。

そうだったんだ。でもまた、何でSEになったの? モノづくりだったら、メーカーでもいいんじゃないの?

そうなんですけど、一般的にメーカーでは文系は企画まではできるんですけど、実際、モノを作るのは理系の人たちになることが多いみたいなんです。

でもそういった分業とかじゃなくて、企画から作るところまで全部自分でやりたいと思っていて。SEだったら文系でも勉強すれば、それができるかなと思って。それでIT系を目指したって感じです。

文系でモノづくりだと、IT以外に選択肢ってないの?

選択肢ですか……。やっぱり他は商品企画とか不動産などの土地開発の企画とかが多かったですね。こういう都市で、こういうビル建ててみたいなのはできるんですが、それを最終的に誰が作るの? というのは理系の人とか技術職の人とかになっちゃう。

なるほど、メーカーだと企画のみになっちゃうんだ。自分で企画するし、作るところもやりたいからIT系を目指したということだね。

そうですね、メーカーだと自分が携われるところは、少し中途半端な感じがしてしまったんですよね。実際はそうではないのかもしれないんですけど。

佐藤は、今の話を聞いてどう思う? 理系の視点でいいからさ。

へーって感じだな。やはり文系と理系は違うものだな。それよりも桃花楼の今日の日替わりランチの内容が気になるが。

もう少し後輩に興味持てよ。(笑)

ITは社会人になってからでも、技術習得は間に合う

文系が「モノ作りしたい!」となると、IT系は数少ない選択肢の一つになる感じなのかな。

文系が、理系がというより、その、何と言うか、ITは覚えればできるという感じじゃないですか。

それはどういうこと?

極端な例だけど、建築家になろうとするのとSEになろうとするのとでは、凄く難易度に差がある感じ。

IT系だったら社会人になってからでも勉強して技術を身に着ければ、それが自分で作れるようになる。建築家だったらさすがにそうはいかない。ITはとっかかりやすい分野だと俺は思うよ。

そうですそうです、さすが先輩!

口コミ情報でIT企業のイメージをつけた

綾香さんは、学生時代、IT企業の仕事のイメージって湧いていたの?

全然湧いていなかったです。でもたまたま周りにIT系に行った人たちが多かったんで、色々話を聞くことが出来たんです。

それはまた、ある意味恵まれた環境だね。

そうですね。実際開発に携わっている人や、営業の人とか、色々な立場だけどIT業界に勤めている人が周りにすごく多かったんです。その人達の話を聞いて、自分の中でイメージを作っていったんです。

そうなんだ。本とかは見なかったの?

本とかは全然見なかったです。100%口コミですね。人からの意見をメインにしてました。

そしてIT系のイメージが付いて、就活して、今の会社に捕まったと。

そうですね! いい会社に捕まえていただきました!(笑)

ITは食いっぱぐれない

そういえば、佐藤はどうしてIT業界に興味を持ったの?

同期なんだから知ってるだろ(笑)俺はもともと工学部で大学院まで行って、システム情報工学の分野で、まさにシステムを作る、プログラミングをするということを研究でやっていたんだよ。

そうだったそうだった! さすが理系って感じだった。

だから、周りも含めて進路としてはIT系が一番多い分野だったから、IT系に行くのは自然な流れだったわけ。

他の分野は考えなかったんだっけ?

うん。IT系なら学んだことを活かせるというのと、あとは、手に職をつけたいということかな。食いっぱぐれないと考えたし。

手に職って大きいですよね。文系からすると。

IT業界っていう業界全体でみると、その業界自体はなくならないと考えたんだよね。技術さえ磨けばどこでも食っていけるじゃん! ってさ。

ロボットを作りたかった

そもそも、システム工学を勉強しようと思った理由って何なの?

俺はロボットを作りたくて工学部に入ったんだよ。ス〇ーウォーズのR2-〇2みたいなやつ。

ロボット! それはいきなりとんでもない話だね。

ロボットを作るとなると、外側と中身を作らないといけないんだよね。外見のメカニックの部分と、中のソフトの部分を作らないといけなくて。

両方研究しようとして中途半端で終わってしまうのが嫌で。それで中身のソフトの部分に絞ったんだよ。システムに特化して研究したほうがやりたいことができるかな、って考えた。そして、システムを作る方向に行って今に至る。

そもそもロボットを作りたいって明確に目標にしてたのはすごいね。

ス〇ーウォーズが人生を決めたようなもんだな。

世代間のギャップですかね、実は私、ス〇ーウォーズ見たことないんです。

NE〇FLIXで勉強したまえ。

顔が分かっている人に対して作りたかった

でもなんでこの会社に入社したの? ロボットは作ってないよね?

会社がどの様な業界に向けた仕事をしていて、どの様なシステムを作っているかについては、あまり気にしていなかったんだよ。ただ、SIerの方がいいかなって思っていたな。

何でSIerの方がいいと思ったの?

IT業界も色々とあるじゃん。広告系とか楽○とかYa○ooとかスマホのゲームとか。

そんな感じにサービスを作ってそれを大多数にバラまくというよりかは、何かお客様から要望があって、そのお客様が困っていることを、「何らかの方法で解決する」みたいな働き方のほうがいいなと思って。

顔が見えない人に対して何か作るじゃなくて、顔が分かっている人に対して作りたかった。そんなわけで、あまり業界は気にしていなかった。

業界というよりか、SIerが良いという感じか。ちなみに学生時代にはSIerのイメージがもうついていたってこと?

その辺りは就活をはじめた時、会社説明会に色々と行く中でイメージをつけた感じだな。卒業した先輩もIT業界に就職する人が多かったから、その先輩の話を聞いてイメージしたよ。

まあ、学生時代に学んでいた事の流れで、自然とIT業界を目指した感じか。この話を聞いて、後輩の綾香さんはどう思う?

「一人でやらないんだな」って思った

私はIT業界に関して周りから事前に聞いていたので、入社してから入社前のイメージとあまりギャップがなかったんですよ。「ああ、こんなもんか」と。悪い意味じゃなくて良い意味で。

なるほど、イメージとのギャップがなくて良かったね。

佐藤さんはどうだったんです? 佐藤さんみたいに学生時代からITに慣れ親しんでいると、いざ会社に入って実際に仕事すると「ええ! こうなの?」というギャップが大きいんじゃないかと思うんですが、そういうことはなかったんですか?

どうだろう。でも、「一人でやらないんだな、意外とチームでやるんだな」っていうのはあったかな。

IT業界に入るまでは、一人で黙々とやるイメージだったってこと? 実は自分も同じで、一人というより、机に仕切りがあるようなイメージだったよ。

そうそう。分かる分かる。チームはチームでも、メンバーは別に会話しないみたいな。

ただひたすらプログラミングをするだけってイメージ!

一人でパソコンとかに向かって、黙々とやっているみたいな。

そして一日が終わるみたいな! ツラいやつだ!(笑)

まぁ、一人で黙々とPCに向かうことを目指して入社したわけじゃないから、仲間と話す機会が多いのは全然良いんだけどね。

ただ、なんとなく一人で仕事をするイメージは入社前にはあった。でも、今思うのは一時的に一人で仕事をすることはあるけど、それは案外少なかったな。

なるほどー。みんな、SEは一人で黙々とやるイメージだったんだね。(笑)

イケイケ系が多いと思っていた

確かに、ギュっと集中してキーボードをカタカタしているというイメージはありますよね。ただなんか、たまたま就活中にITの話を聞いた先輩たちに、イケイケ系の人たちが多かったので……

イケイケ? それってどういうこと?

はい。イケイケな人たちがIT業界に沢山いると思っていました。何ていうんですか、こう、盛り上げる系っていうんですか。ノリのいい人というか。とにかくシーンと暗い人たちじゃ全然なかったので。

そうか、IT業界はこういう人たちが入っているんだ。こういう人が多い業界なんだ。くらいに勝手に思っていたので、会話をしながら仕事をするという職場には、割とナチュラルに溶け込めたかなと。

うちの会社の社員もイケイケ系だった?

そこは凄く、はい……まぁ、イケイケというわけではないですけど。なんか、シーンと静かではないですね。

まあ、確かに一言も喋らずに帰るってことは無いよね。それに、某プロジェクトマネージャーのように、寡黙なエンジニアっぽくない人とか確かにいるよね。

ああ、土方さんのことですか。そうですね、飲み会とか自ら企画して、みんなで騒ぐのが大好きな人ですよね。佐藤さん、土方さんが炎上プロジェクトをスパーン! って立て直した時の話、もう一度聞きたいです!

あぁ、あの時佐藤が、上司に無駄に絡んだ話ね。(笑)

うぅぅ、その話はもう勘弁してくれ……。

キャラクター紹介

綿谷

7年目の男性。同期の佐藤とその後輩である綾香にランチを奢るという約束で、新卒向けの会社説明会でするスピーチの内容の相談に乗ってもらうことに。

佐藤

7年目の男性で理系出身SE。ロボット工学を専攻していたが「顔が見える顧客にシステムを作りたい」という想いを胸にSEになった。

綾香

3年目の女性で文系出身SE。いつも笑顔で元気いっぱいで、SEはイケイケな人が多いと思っている。

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