テレワークの導入で生産性が下がる理由・上げる方法|今後の課題も

2020年初頭から発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、オフィスをはじめとした密閉空間で集うことが避けられるようになりました。日本企業を含む世界中の企業では、コロナ感染を予防すべくテレワークの導入が進められています。

テレワークの導入は感染対策という面では有効ですが、「在宅勤務」とも呼ばれるテレワークでは、オフィスワークと比較して生産性低下の可能性がある点に注意が必要です。

そこで今回は、テレワークの導入により従業員の生産性が下がる理由から、生産性を上げるための方法、テレワークと生産性に関する今後の課題まで詳しく解説します。

1. テレワークの導入によって生産性が下がる4つの理由

コンピュータ・ソフトウェア会社であるアドビ(Adobe)は、アメリカと日本の労働者それぞれ約1,000名を対象に実施した「コロナ禍における生産性と在宅勤務に関する調査」を2020年9月に発表しました。当調査の結果によると、テレワークに移行した人の中でも、生産性が下がったと感じる人の割合が最も多いことがわかります。

【在宅勤務による生産性】
上がった 21%
下がった 43%
変わらない 36%

またテレワークでの会議・ミーティングは、すべてWeb会議ツールを活用したビデオ会議(Web会議)となりました。しかし、同調査では「ビデオ会議疲れ」を感じている人が多いことも見て取れます。

ビデオ会議の方が生産性が高いと感じる ビデオ会議疲れを感じている
はい 40% はい 39%
いいえ 60% いいえ 61%

では、なぜこのような結果に至ったのでしょうか。ここからは、テレワークの導入によって生産性が下がる理由を4つ解説します。

(出典:Adobe「アドビ、グローバル調査「COVID-19禍における生産性と在宅勤務に関する調査」を発表」)

1-1. 勤務環境の未整備

テレワークの導入によって生産性が下がる理由として、最も考えられるのが「勤務環境の未整備」です。実際にアドビの調査データでも、勤務環境が整っていないことが原因で生産性が下がっていると感じる人が多くいることがわかります。

(出典:Adobe「アドビ、グローバル調査「COVID-19禍における生産性と在宅勤務に関する調査」を発表」)

これまでオフィス勤務をしていた従業員は、オフィスにあるパソコンなどの機器を使用して業務を行っていました。しかし、テレワークが導入されると自宅の勤務環境を整えなければなりません。

一般的に、勤務環境を整えるためには「パソコン」「インターネット環境」が最低限必要です。これらがなければ業務は行えないうえ、これらのスペックが低ければ従来どおりの十分な働き方ができません。よって、生産性が低下してしまうのだと言えるでしょう。

1-2. コミュニケーションの不足

オフィス勤務の場合、常に社内に同僚・上司の誰かがいるため、何らかのトラブル対応や相談時、さらに情報共有においてもスムーズにコミュニケーションを取ることが可能でした。

しかし、テレワークの導入によりコミュニケーションを取るときはチャットもしくは通話をしなければならず、従来のようなスムーズなコミュニケーションは不可能となります。結果としてコミュニケーションが不足し、企業全体の生産性低下につながるだけでなく貴重なアイデアの創出機会も減少することとなってしまうでしょう。

1-3. 業務モチベーションの低下

自宅で業務を遂行することとなるテレワークでは、仕事とプライベートのオン・オフの切り替えが困難となる傾向にあります。オフィス勤務に比べて誰かの目を気にすることがなくなるため手を抜きやすくなり、かえって業務時間が長くなることもあるでしょう。

業務時間が長いわりに生産量が上がっていないという事実は、結果として業務モチベーションの低下や評価への影響につながってしまいます。

1-4. 労働状況や業務プロセスの把握が困難

テレワークは、オフィス勤務と比較して労働状況や業務プロセスの把握が困難である点も問題点であり、かつテレワークによる生産性低下の一因でもあります。

また、労働状況や業務プロセスの把握が困難なことによって、上司から適切な評価を受けられるのか懸念を抱く人も少なくありません。社内全体の労働状況や業務プロセスの把握ができないという事実は、あらゆる方面において不安要素が生まれる原因でもあり、結果として生産性の低下につながってしまいます。

2. テレワークで生産性を上げる4つの方法

テレワークの導入によって生産性が下がったという意見が多い中、「かえって生産性が上がった」と感じる人も一定数存在します。この差は、テレワーク導入と同時に、生産性を高めるための施策を行っていることが大きな理由でしょう。

ここからは、テレワークで生産性を上げる4つの方法を解説します。

2-1. (インフラ・ハード環境)PC・勤務環境の整備

テレワーク導入と同時に最も進めておくべき施策は、インフラ・ハード環境の整備です。中でも特に、PC(パソコン)・勤務環境の整備は欠かせません。

PC・勤務環境の整備とひとくちに言っても、各企業の課題によってあらゆる方法が存在します。下記は、PC・勤務環境整備における具体的な方法です。

・PCを所有していない従業員に対し、社内で使用していたPCを貸与する

・勤怠管理システムを導入し、従業員の出勤・退勤の打刻や管理を行う

・データのやり取りが簡単に行える、各種クラウドサービスを導入する

オフィスワーク時と変わらない整備を整えるだけでなく、テレワークならではのツールを導入することにより、業務効率化につながるでしょう。

また、テレワークの導入によって企業に関する重要な情報が社外に保管されるということになるため、安全にテレワークを進めるためにもセキュリティソフトの導入が欠かせません。

2-2. (コミュニケーション)上司・同僚とのコミュニケーションの補完策、ツール活用

テレワークを円滑に進めるためには、コミュニケーション面の補完策も重要です。コミュニケーション不足による業務スピードの低下を防ぐためには、ビジネスチャットツール・Web会議ツール・タスク管理/情報共有ツールを活用しましょう。

これらのツールは、多くの企業から提供されています。ツールによって使い勝手や搭載機能、価格も細かく異なるため、自社に適したツールを選ぶことが重要です。

2-3. (メンタル管理)人の管理

インフラ面やコミュニケーション面を十分に整備したとしても、すべての従業員が変わらないモチベーションで業務を遂行できるわけではありません。中には、テレワーク導入でワークスタイルが大きく異なることによってストレスが生まれ、モチベーションも左右される従業員も存在します。そのため、部下・チームメンバーのメンタルケアなど、人部分のモチベーション管理が欠かせません。

コミュニケーションの取りにくいテレワークだからこそ、上司から部下への積極的な声かけが必要です。会話中は雑談を含めながら、一人ひとりに対する丁寧なメンタル管理を行いましょう。

2-4. (運動・健康管理)運動・その他

テレワークの導入により、出社・通勤の必要がなくなったことから運動不足気味となってしまいます。実際に健康面での変化を感じる人も珍しくなく、業務に対する集中力低下の要因となるおそれもあります。

従業員の健康管理は企業経営の一環でもあり、テレワークを進める企業が激増した近年では「健康経営」も重要視されています。企業側は、テレワークを導入した従業員に対して運動やストレッチの習慣をつけさせることも大切です。

3. テレワークと生産性に関する今後の3つの課題

テレワークの推進には、短期的な生産性に関する課題だけではなく、長期的・将来的な課題があります。下記は、テレワークと生産性に関する今後の課題です。

(1)社員の帰属意識

在宅勤務が主となるテレワークでは、非対面コミュニケーションにより会社への帰属意識が薄れてしまう傾向にあります。帰属意識が薄れ、従業員エンゲージメントを低下させないためにも、企業理念やスローガンを定めて社内に定着させたり、社内コミュニケーションを円滑化させたりすることが重要です。また、人事評価制度の見直しも有効となるでしょう。

(2)社員教育

テレワークの導入により、従来では簡単に行えていた集合研修が困難となりました。特にOJTはさらに難しく、スムーズな社員教育ができません。テレワークでも円滑に社員教育を進めるためには、まず「テレワーク向けの教育プログラム」を設計することが重要です。そしてテレワーク向けの教育プログラムを円滑に、かつ柔軟に進めるためには、eラーニングなどのITツールを活用することも大切と言えるでしょう。

(3)長時間労働・隠れ残業

テレワークの導入に伴って、労務管理上の課題も多発しました。テレワークは、プライベートと仕事の境目が曖昧になりやすいことから、集中力が途切れて従来のスピードで業務を遂行することが難しくなります。結果的に就業時間内に業務を遂行できず、長時間労働や退勤後に遅れを取り戻す「隠れ残業」が発生することも珍しくありません。

長時間労働・隠れ残業が起こる原因は企業や業務内容によって細かく異なるものの、総じて効果的な解決策が「勤怠管理システムの導入」「労働時間の管理」です。また、従業員に対して労働時間管理の意識付けを行うことも推奨します。

まとめ

新型コロナウイルス感染対策として、世界中の企業でテレワークの導入が進められました。テレワークの導入は感染対策に効果的ですが、生産性の低下リスクもあり、実際に生産性が下がったという人が多いことも調査結果に出ています。

テレワークの導入に伴う生産性の低下を予防し、むしろ向上させるためには、「インフラ・ハード環境の整備」「コミュニケーション面の整備」「メンタル管理」「運動・健康管理」が重要です。また今後もテレワークによるさまざまな課題が発生することが考えられるため、適切な対策を行うことも欠かせません。

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